映画「ゆきてかへらぬ」
最初に台本を読んだ感想は、何て艶っぽい作品なんだろう、そんな感想だった。この艶っぽさを世界観のワードにしたいと思った。
映画の全体構成は、前半は京都、後半は東京と大きく2つに舞台が分かれていた。
映画の冒頭は京都。中原中也が住んでいる下宿先から映画が始まるとても印象的なシーン。通常はロケや一部セットで撮影、構成していくが、今回は町屋路地、下宿先の家、2階の部屋それぞれの関係性を組み込んで、全てセットを作ることでプランニングした。
映画の冒頭に登場するこのセットが、ある意味生命線になる。これが成功すれば、この映画も成功する。
予算は膨らむが、そんな想いを製作陣や監督に伝えた。
京都編の世界観は、水墨画のような墨、黒を意識した。
中也が住んでる下宿先は、京都の町屋路地にある二階建ての家、その2階を間借りしてる設定。路地と家、1、2階をセットで作った。
そして、映画は雨のシーンで始まる。
その為、スタジオ内に雨を降らせた。
この映画は、この3枚のプランから始まった。
(次回は、セットはどのようにプランニングし完成していくのかを詳しく伝えたい)